体内時計スイッチ、発見!
皆さんは朝型でしょうか?それとも夜型でしょうか?
この睡眠型って人によって違いますよね。
早起きがとても得意な人、
逆に夜中の方が仕事がはかどる人。
この体内時計は体の中で体内時計タンパク質が
周期的に増減を繰り返すことで成り立っています。
人によって身長や体重が異なるように、
この体内時計タンパク質の増減の仕方が
違うので、朝型・夜型などの違いが出てくるんです。
今回、この体内時計タンパク質の増減を
コントロールするスイッチが新たに発見
されましたので、簡単にご紹介したいと思います。
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そもそも体内時計タンパク質って?
体内時計タンパク質とは、「TIMタンパク質」と
「PERタンパク質」という2つのタンパク質の
ことを指します。
この「TIMタンパク質」と「PERタンパク質」は
お昼頃になると体内で別々に作られます。
そして、夕方頃になるとこれらの2つのタンパク質が
くっついて一緒に活動を始めます。
面白いことに、「TIMタンパク質」と
「PERタンパク質」はくっついて一緒になると、
「TIMタンパク質」と「PERタンパク質」が、もう
それ以上作られないようにストップをかけるのです。
「TIMタンパク質」と「PERタンパク質」が
くっついたものの働きで、夜中には体内の
「TIMタンパク質」と「PERタンパク質」は徐
々に減っていきます。
そして、夜明け頃になって日に当たると、
この「TIMタンパク質」と「PERタンパク質」が
くっついたものは分解されて、体内からなくなります。
そうすると、再びお昼ごろに「TIMタンパク質」と
「PERタンパク質」が体内で別々に作られ始めるのです。
このようにして、体内で「TIMタンパク質」と
「PERタンパク質」が一日を通して増加・減少することで、
体内時計が成り立っています。
このタンパク質のリズミカルな増減による
体内時計メカニズムを解明したアメリカの
3人の研究者は、2017年にノーベル医学生理学賞を
受賞しています。
今回の発見とは?
「TIMタンパク質」と「PERタンパク質」の
働きは明らかになっていたものの、
これらのタンパク質を制御している
メカニズムが今まではわかっていない状態でした。
今回の発見では、この体内時計を制御している
メカニズムの一端が明らかになりました。
今回発見された体内時計のスイッチとは、
先ほど紹介した「TIMタンパク質」と
「PERタンパク質」を減らすためのスイッチです。
とあるDNA配列がそのスイッチになっていて、
このDNA配列を変化させたマウスは、
体内時計タンパク質を作ることはできるのですが、
上手く減らすことができなくなってしまいました。
そして、行動が不規則になってしまったのです。
つまり、体内時計が狂ってしまったのです。
今後期待されること
体内時計の研究は、朝型・夜型や睡眠障害の
メカニズムを解明するためにとても重要な研究です。
体内時計の制御メカニズムが完全に
解明されれば、自分の体に適したライフスタイルの
確立や、不眠症などの睡眠障害に悩む人たちの治療に
役に立つはずです。
これまで精神的な問題だと思われてきた睡眠の問題が、
実はれっきとした体の問題だと分かれば
気持ちもいくらか楽になります。
今後の研究に期待ですね。
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